決断ストーリー

最終的な価格を決められず、売却のチャンスを逃してしまう。

Story01

空き家の値段を自分でつけることはなかなか難しい。

空き家を手放すことを決断したあと、新たに迫られる決断がその物件をいくらで売るかということです。

「相場はいくらですか?」という相談もいただくのですが、一軒ごとにまったく条件が異なるため一概にはいえません。一般的に木造住宅は22年が償却年数だといわれています。つまり築20年も過ぎれば建物にはほとんど価値がなく、あるとすれば土地だけとなります。ただ、中山間地や田舎に行けば行くほど、土地の価格はあってないようなものになってしまいます。

さらにいえば、これは買ってくれる人、空き家をほしい人がいてのお話なので、そもそも値段がつくこと自体が極めて難しい場合もあり、値段は自分でつけられないというのが実際のところです。

少しでも高く…の欲によって機会を逃すことに。

値段をつけられないが故に決心が鈍るということもありますが、逆に、値段がつくことで迷いが生じることもあります。最初は「100万くらいでいいから手放したい」とおっしゃっていた人が、欲しいという方が出てきたら値を上げていき、結局「そんな価格では誰も買ってくれませんよ」となります。

いずれ高く買ってくれる人が現れるだろうとひたすら待っている間にも、空き家はどんどん老朽化していきます。老朽化が進んでしまう前に売却することを決心し、そのチャンスも訪れたはずなのに、ちょっとした欲によって老朽化が進んでしまい、売却どころか解体費用を捻出しなければならない結果となってしまいました。

こうした失敗を防ぐポイントは、最初に空き家値段の上限と下限を決めておくことです。人間らしさの表れでもありますが、欲を追求してしまうと結局は損を手にしてしまうという事例でした。